読解力の低下 =OECD PISA学力調査より=

本日、新聞やテレビでOECD PISA学力調査について発表がありました。

特に日本の読解力の低下について大きく扱われていました。(8位から15位)

OECDのホームページにある今回の調査から出した結論の「読解力」の所には

• OECD諸国平均で、生徒の約20%は、基礎レベルの読解力を身につけていない。
• OECD諸国平均で、読解力は女子の成績の方が良いが、その男女差は2009~2015年の間に12ポイント
縮まった。
男子の成績が特に成績上位者の間で改善したのに対して、女子の成績は特に成績が最低レベルの生徒の
間で下がった。

と書かれていました。

私が昼間に見たテレビ番組によると、読解力の1位は中国だそうです。

中国では国を挙げて、学校での本を読むこと・読んだ本の感想を言い合うことなどに取り組み、その成果が出たとのことでした。

私が子供の頃は「テレビ」か「本を読む」くらいしか楽しみはありませんでした。

小学校の頃、「図書室の本を誰が一番読むか」という競争をしました。

皆に負けたくなくて、毎日、本をかりて、家で必死になって読んだことは今でもよく覚えています。

現在は娯楽がたくさんありますから、きっかけがないと「本を読む」ということはしないのかもしれません。

高速リスニングの受講者を見ていると、最初はパソコンの音に合わせて活字を追うことが大変そうですが、だんだんと慣れてきます。

スピードを上げても内容を理解しながら読むことができるようになります。

8倍まで速度を上げられますが、3.5倍くらいでないと、内容を味わえないそうで、それ以上のスピードにしたがる子はあまりいません。

昔からある名作や近年人気のある本を読みながら、思わずクスっと笑ってしまったり、涙ぐんだりする光景を見ると、「本を読みさえすれば、そこから感じ取ることは昔も今も変わらないのだ」と感じます。

だからと言って、「文章を読め」と言っても実行できる子は少ないと思います。

やはり実践で身をもって体験をしないと難しいと思います。

かつて、ある生徒が国語のワークの記述問題で、「自分の答えは丸を付けていいのか」と質問に来ました。

「答えが足りない」と答えました。

次に来た時にも「まだ、足りない。文章をよく読むように」とアドバイスをしました。

3回目には「なぜ丸にならないのか」というとても悔しそうな表情をしていました。

そこでその場で「問題の答えに該当すると思う個所を声に出して読んでみる」ように指示しました。

読んでいくうちに「あっ」という声が聞こえました。

答えがわかった瞬間です。

この生徒はそれ以降、どの科目でも文章を丁寧に読むようになりました。

その次の中間テストでは5科で学年1位,期末テストでは9科で学年1位を取ることができました。

文章から読み取った内容を正確に答えに反映できるようになったからだと思います。